場面緘黙の後遺症

自分は子供の頃(幼稚園~中学卒業まで)場面緘黙でした。

場面緘黙症とは、家では普通に話せるけど学校など、特定の場所では全く話せなくなるというものです。

今はネットが普及して少しは認知されるようになりましたが、自分が子供の頃はネットもスマホも無い時代だったので、大人になってから始めて知りました。

場面緘黙を知らない人からしたら何で喋らないのか疑問に思うかもしれませんが、正確には「喋らない」のではなく「喋れない」のです。

何でそうなるのかは分かりませんが、過去のトラウマだったり、生まれ持った気質だったり、何かの障害がトリガーになっていたり要因はいろいろあります。

幼稚園から中学を卒業するまでの約10年間は全く話すことが出来ないので、意思表示は首振りか筆談をするだけでした。

それ以降も改善したわけではなく、自分から話しかけたり、複数の会話に入ることが出来なかったり、緘黙の後遺症は今でも残ってます。

幼少期に話せなかったことでコミュニケーション能力が育たず、人と会話してもすぐに返答できなかったり、言葉を上手く組み立てて話すことが出来ません。

ここでは普通に出来てるじゃないかと思うかもしれませんが、それは文章だからで瞬時に言葉のやり取りをする会話は苦手です。

ちなみに500文字程度の文章を書くのにも毎回1時間ぐらいかかってます。

他にも弊害はあって、長年言葉を発してこなかったせいで声を出しずらい、または声を出したとしても小さな声しか出せないんです。

なので飲食店なんかでメニューを注文するとき、相手が聞き取れなくて何度も言い直したりすることになります。

緘黙ってただおとなしい人と捉えられがちで、他人はもちろん本人も性格のせいなんだと気付かないケースも多い。

今では受け入れているのでそれで悩むことはないですが、自分のように生き辛さの原因が分かるだけでも楽になる人はいると思います。

もっと認知されることを願ってます。